不意を打たれぬようにしよう

「民間防衛」 P233

不意を打たれぬようにしよう

 このような敵の欺瞞行為をあばく必要がある。
 スイスは、征服の野心をいささかも抱いていない。何国をも攻撃しようとは思っていない。望んでいるのは平和である
 しかしながら、世界の現状では、平和を守り続けるためには、また、他に対する奉仕をしながら現状の状態を維持するためには、軍隊によって自国の安全を確保するほかにないと、スイスは信ずる。
 近代兵器を備えた大国に立ち向かうことはわれわれにはできないという人々に対して、われわれは、こう答えよう。---経験は、その逆を証明している、と。
 今日では、一つの動乱が、多数の国を巻き添えにすることは決定的である。それ故、われわれは、単独で攻撃の重圧に耐えねばならぬこともないだろうし、攻撃者は、その兵力の一部分しかわれわれに向けられないだろう。そして、このような部分的な兵力に対してならば、われわれは、対等の兵力で反撃することができる。
 また、技術の進歩によって、地上では軍隊をまばらに展開することが必要になったが、このことは、われわれにとって有利な条件である。われわれの防衛は、これによってきわめて容易になった。
 潜在的な敵はわれわれに武器を捨てさせるためには、わが国を征服する必要度に比してケタはずれに大量の武力を浪費する必要があることを知っている・・・・・・。
 第一次大戦において、また、第二次大戦において、われわれが攻撃を免れたのは、偶然によるものではない。この幸い、それは、みずからを守ろうというわれわれの不屈の意志と、わが軍隊の効果的な準備によるものである。
 また、1939年~40年におけるフィンランドの例や、1956年や67年におけるイスラエルの例も、われわれの考えが正しいことを証明している。これらみずからを守った小国は、その国家的存在を保つことができたのである。